About

Motive

SHAKING・寺島洋平による照明プロジェクト。
東京造形大学 彫刻専攻。
卒業後、シャンデリアメーカーの工房、特注照明器具専門の工場を経て2012年に独立。
製作側で器具の構造を設計するという事はデザインに多かれ少なかれ影響します。
照明器具として成り立つ為に必要な剛性や電気的な安全は優先しなくてはいけない事ですが、最終的な外観の仕上がりは、どうしても製作者に委ねられる事になります。
カタチにする為に壊れてしまうデザインに対して、出来る限りデザイナーの意図を汲み、意図に寄り添い、最適な解答を模索していく事を第一に考えます。

照明製作のジレンマ

インテリアの中で、造形という観点で重要度が一段高い製品が3つある。
『椅子』、『テーブル』、そして『照明』。
この3つは表・裏が無く、360度全方向に隙無くデザインされていなければならない。

インテリアの中でも、これら3つはそのデザインに高い”function(機能)”が要求される。
そんな『道具』としての側面が強い製品であるにも関わらず、”appearance(外見)”の要素に全く気が抜けない。
特段に優れた機能を有した製品も、美しくなければ、その価値を大きく毀損してしまう。
その中でもこの3つは際立って、その造形的な美しさに対して期待が高い。

真に優れたデザインとは、”function”と”appearance”のバランスが、極めて高いレベルで擦り合わされた設計のことだ。
デザイナーが手ずから作る可能性のある『椅子』、『テーブル』は優れたデザインの可能性を残している。

だが、『照明』はこの点で余りにもハードルが高い。

『照明』は製作に関わる安全基準が厳格で、製作サイドの専門性が高い。
デザイナーが法規・構造計算等をクリアした『設計図面』を描くことが、現実として非常に難しい。

結果的に、デザイナーは「デザイン画」を描くに留まり、そのデザイン画を元に図面を描くのは製作サイドの仕事になっている。

もちろん、デザイナーの描くディテールまで精緻なデザイン画は、製作サイドに多くの情報を提供する。
しかし、デザイナーの『デザイン意図』までを汲むには、製作サイドに『デザイン』そのものに対する高い素養を要求する。
一方で、残念ながら、殆どの製作者はデザイナーから降りてくる画に対して、それほど忠実ではない。

製作者にとっての最大の関心は、自分の作った製品に機能・安全性・仕上げ等の仕様に『トラブルが無いこと』だからだ。

SHAKINGの照明製作

そんな照明製作の現状に対し、我々SHAKINGは製作者として、積極的にデザイン意図に寄り添う仕事をしている。
我々は『トラブルが無いこと』は前提に過ぎないと考える。
もちろん、譲れない大前提ではあるが、ゴールでは無い。

SHAKINGは『優れたデザインを創り出す』ことを基本スタンスとしている。

そのために、製作以前に、『図面を描く』工程に多くのリソースを割く。
『図面を描く』ことこそが、本来『デザインする』ことであり、この工程を製作サイドの裁量だけで行うことは、即デザインの破壊に繋がる。
我々は、デザイナーのデザイン画を元に具体的な構造を設計する際に、決して製作側の事情だけで一方的に変更しない。
デザイナーの意図を壊さないよう、よりデザインを発展させる形で”function”と”appearance”を擦り合わせる。
そのために、デザイナーとも適切にコミニュケーションを取りながら図面に落とし込む。
”function”と”appearance”は分割可能な要素ではなく、1つのデザインを分析する際の、2つの側面に過ぎない。

デザインの成否を決める核となる工程であるにも関わらず、照明製作では責任の引き受け手の曖昧なこの『図面を描く』工程を、我々は積極的に引き受ける。

この工程に対する熱量こそが『優れたデザインを創り出す』ために必要不可欠だと考えている。

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